炭水化物との付き合い方が判る。ダルビッシュのトレーナーから学べる『炭水化物のすべて』

「とにかく炭水化物を食べなきゃ痩せられるらしい」

なんだか最近そんな洗脳(?)をされている人が多い気がします。

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確かに炭水化物を食べなければと痩せることは間違いないみたいですが、果たしてそんな安易に考えて良いのでしょうか?
炭水化物とどう付き合えば良いのでしょうか?

今回ご紹介するこの『炭水化物のすべて』を読むとその答えが見えてきます。

ちなみに著者の山本義徳さんは、自身もボディビルダーとして活躍され、現在はあのダルビッシュ投手をはじめ、多くのアスリートのトレーナーをされており、「筋肉博士」と呼ばれています。
常に最新の研究結果をチェックされており、エビデンスに基づいたボディメイクを指導されているそうです。

ということで、一部内容を引用させていただきつつご紹介させていただきます。

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章のタイトルだけで気になるのがたくさん

まずは章のタイトルだけご紹介させていただきます。

第一章:炭水化物とはなにか
第二章:インスリンの働き
第三章:糖化は老化
第四章:食物繊維の働き
第五章:甘味料について
第六章:カーボアップ

最後に参考文献リスト(Reference)がありますが、それがまた多いので信頼性が増します。

中でも私は一章と二章にチェックを多く入れてました。

なぜ主食に炭水化物が多く入っているのでしょうか。それは、「炭水化物は良質のエネルギー源となる」からなのです。
炭水化物は消化吸収が良く、胃腸にたいする刺激も少ない。そして一時的に大量に摂取して筋肉や肝臓に溜め込むこともできる。さらには余計な老廃物を出すこともないというクリーンなエネルギー源なのです。

 
もうこれだけで炭水化物を完全にカットするのは良くないことが分かります。

体はよく車に例えられますが、炭水化物はガソリンです。
筋肉の元となるタンパク質は、タイヤやボディやバンパーですが、ガソリンがないと動けないんです。

アミノ酸や乳酸、グリセロールなどを材料として、ブドウ糖を新たに産み出すことができるのです。 ただし問題もあります。糖新生は筋肉から取り出されたアミノ酸も材料にするからです。つまり糖新生が活発になるほど、筋肉が壊されてしまうことになります。
筋肉が落ちても構わないから、とにかく体重を減らしたい」というのであれば、糖質の摂取を減らして糖新生を活発にすることも有効な手段となるでしょう。

 
最近よく聞く糖新生です。

体重が落ちても、筋肉も落ちてしまったらかっこいい体にはなりませんね。

トレーニング開始後、数時間の間は筋タンパクの入れ替わりが激しくなっています。そしてタンパク合成よりも、むしろ筋タンパクの分解のほうが激しくなっています。これを防ぐためには、運動中にワークアウトドリンクとして糖質を摂取することです。

 
運動前ではなく、運動開始後に吸収の早い糖質を摂るのがいいそうです。

体重が70kgのトレーニーでしたら、マルトデキストリンなら1リットルの水に40g程度、クラスター・デキストリンなら70g程度を入れて、トレーニング中にドリンクを飲み切る。それだけでトレーニング効果が遥かに高くなるはずです。

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インスリンについて

炭水化物(糖質)と聞くと、連想するのはやはりインスリンです。

筋肉を増やすときに、もっとも重要となるホルモンはなんでしょうか。それは男性ホルモンでも成長ホルモンでもなく、「インスリン」です。

 

「糖分やアミノ酸を筋肉に送り込む」というインスリンの働きは、筋肉を大きくしていく上で非常に有利に働きます。単純に考えれば、バルクアップを目指すのでしたら、インスリンをどんどん分泌させていけばよいことになるわけです。しかし、そう簡単にはいきません。

 

残念ながら、インスリンは脂肪細胞にも働いてしまいます。脂肪細胞に送り込まれる糖分は全体の3%程度に過ぎないのですが、インスリンは脂肪を合成する「リポタンパクリパーゼ(LPL)」という酵素の働きを助け、また脂肪を分解する「ホルモン感受性リパーゼ(HSL)」という酵素の働きを邪魔してしまうのです。 つまりインスリンが多く分泌されると、体脂肪は合成されやすく、同時に分解されにくいという状況に陥ってしまうわけです。

 

体脂肪を減らしたい場合には、バルクアップを狙う場合とは逆に、インスリンがあまり出てこないようにしなければなりません。ただしインスリンが出てこないということは、筋肉への栄養の取り込みも減ってしまいますので、筋肉が落ちてしまう可能性もあるということです

 

運動中~運動後3時間以内に、十分な量の栄養物質を筋肉細胞に送り届けることがポイントです。このタイミングだと栄養が体脂肪ではなく筋肉に働くため、大量のカロリー、糖質、タンパク質などを摂取しても体脂肪が増えることはありません

 
ゴールデンタイムは運動後30分ではなく、3時間なんですね。

具体的にどうやって栄養摂取すれば良いのか?

ワークアウトドリンクに大量の糖質、アミノ酸(プロテインでも可)を溶かしこみ、運動中に飲み切ります
そして運動終了直後に、アミノ酸を摂取します
運動終了後、数十分すれば胃腸に血流が戻り、交感神経の興奮も収まりますので、その辺りで「糖質+プロテイン」を飲みます。 そこからさらに1時間ほどしてプロテインが消化されたあたりで、高糖質、高タンパクの食事をするのです

 
ここまでやれば完璧です。

最後に

他にGI値や、サプリメントなど盛りだくさんの内容です。
専門用語も多いですが、じっくり勉強できます。

何度も読み返したいですね。

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