合戸孝二の自叙伝「執念」を読んでみた。

「筋トレしても、もう伸びしろはないんじゃないか」
「回復が遅くなって疲労が抜けてないから、今日はやめとこうかな」

私も40歳を超えているので、こんな風にネガティブになってしまうことがあります。

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でもそんな時によく頭によぎるのが、

「でも合戸さんは50後半なんだよな〜、俺もまだまだそんなこと言ってられないな。」

という思いです。

知り合いでもなんでもないですし次元も違いますが、勝手に心の支えにさせていただいております。
ボディビルの大会の会場でTシャツ姿をお見かけしましたが、体の厚みがヤバかった。
ありがとうございます。

そんな合戸さんの半世紀を綴った自叙伝「執念 ー覚悟に挑む狂気ー」を読みました。

合戸孝二とは

ってゆうか合戸さんって誰なの?という人がいるかもしれないので、最初に説明しておきます。

合戸孝二さんは、「狂気の男」という異名を持つボディビルダーです。
その異名の通り、気が狂ってます。(いい意味で)
人生を完全にボディビルに振り切っちゃってるんですから。

エピソードを知ってもらったほうが早いでしょう。

  • 現在59歳ながら、ボディビルの日本選手権の決勝に残る現役バリバリ
  • 左目の病気になるも、治療薬がドーピングにひっかかるからと使用せず失明
  • 筋肉が発達しすぎて神経障害になるも、リハビリして2年後には日本選手権4位
  • 自宅を改装してジムにしている
  • トレーニングはすべて”合戸式”。マシンもオリジナル
  • 夫婦二人三脚。トレーニングでは奥様が常に補助に入る

「執念」を読んで感じたこと

そんな合戸さんがこれまでのボディビル人生を振り返っているのが本書です。
二章で構成されていて、一章は合戸さん自身による半世紀編で、二章はバズーカ岡田先生によるトレーニング解剖編となってます。
バズーカ岡田って誰?に関しては今回はスルーします。

私が本書を読んで感じたことを一言でいうと、
どんな分野でも突出した存在になるのは、「どうかしてる人だな」ということです。

普通だと普通にしかなれなくて、周りから「あの人、ちょっと変だよね」と思われるくらいのある種の”狂気”を持ってないと特別な存在にはなれないのでしょう。
ただし、そこまで狂ったように打ち込める物事に出会えない人がほとんどだと思うので、そんな物事に出会えるということが、運なのかもしれません。

さて、本書「執念」についてですが、
仮にボディビルを全く知らない人やトレーニング経験が無い人が読むとどう感じるんだろうと想像してみると、意味がわからない点も多いかもと思います。

あと、ボディビルダーって皆こうなんだと思うのは大きな間違い。
合戸さんはトップ選手だし、その中でも特殊な存在です。

最近は横川尚隆さんがテレビで活躍されているので、ボディビルに対するイメージも様々になってるのかもしれませんが、合戸さんという角度からのボディビルも知っておくのは良いかも。

ボディビルダーの生き様については果てなき渇望という本もおすすめです。

さらに、合戸さんが上司だったら良いなとも思いました。
信頼感とか説得力とか、上司に求められがちな要素をお持ちだと勝手に感じました。

合戸式トレーニングについて

合戸式トレーニングの詳細については本書の第二章を読んで欲しいですが、精神面だけじゃなく、実際のトレーニングに参考になる部分は山程ありました。

最近は科学的云々とかやりすぎは良くないとかも言われますが、合戸式を知ると何が正解か本当に分からなくなりますw

あの山岸プロも若い頃に体験して「1回なら出来るけど、毎回は無理。狂ってる。」と言ったそうです。

胸のパーソナルトレーニングを受けているこちらの動画が非常に面白いです。
マシンとか補助とか、ここでしか出来ない内容ですね。

本書では部位別のトレーニング内容や種目の解説が記載されています。

トレーニー必読書です。