ダイエットのプロって誰でしょう?
最近はダイエット検定みたいな資格もありますが、現場経験でいうと体作り専門であるボディビルダーもその道のプロです。
ボディビルと聞くと、筋肉を付けるために血反吐を吐くほど筋トレしまくって、ムキムキの体を見せつけていると思っている人もいるでしょう。(大きく間違ってはいないのですが)
ただ見落としてはいけないのが、ボディビルは筋肉をつけることはもちろんですが、「脂肪を落とす」という面も筋肉を付けるのと同じくらい重要なことです。
脂肪を落とさないと頑張って増やした筋肉がバッキバキに出てこないからです。
いかにして、「筋肉を落とさず脂肪を落とすか」です。
これって、誰でも理想ですよね?
ということで今回は、ダイエットのプロフェッショナルであるボディビルダーからダイエットのコツも学びましょう。というお話です。
ボディビルダーって減量してたの?
私自身ボディビルについて知る前は、ボディビルダーって一年中テレビとかで見たことのあるムキムキのバッキバキの体をしているのだと思ってました。
そうじゃなかったんです。
もちろん筋肉は多いので常にムキムキではあります。
しかし常にキレッキレではないんです。
そんな体をしているのはコンテストに向けて体を仕上げて行く時だけなんです。
コンテスト当日に向けて何ヶ月も前からダイエットをして体を仕上げていき、ピークを当時に持っていくようにします。
基本的にはコンテストがあるオンシーズンとオフシーズンに分け、オフシーズンは多少の脂肪が付くのも覚悟で筋肉を増やすためにたくさん食べてたくさんトレーニングするというやり方の人が多いです。
では実際どのように脂肪を落としていくのでしょう。
最初は時間と計画の設定
まずダイエットを始める前に大事なのは「時間の設定」です。
そもそも普通の人が「痩せたいなー」とかいうレベルでダイエットするのとはわけが違います。
ボディビルという競技のコンテストに出てさらには上位に入るためにやることなので、ダイエットも必然的にガチになります。
ここがダイエット成功のカギの握る最も大きな違いかもしれません。
大会当時から逆算して、何kgの脂肪を落とすべきなのか、そのために1ヶ月に何kgずつ落としていけばいいか、などを設定します。
例えば10kg減量するとして、1ヶ月で10kgとか極端なペースで落とすと、筋肉も急激に減ったり、身体へのダメージが多くなってトレーニングをハードに出来なくなったりしてしまいます。
1ヶ月に減らすのは、体重の5%までがいいと言われているので、個人差がありますが、3ヶ月から5ヶ月くらいかけて取り組む人が多いです。
始め方も人それぞれで、徐々にやる人もいれば、「今日からダイエットスタート!」と決めたら食事や生活をガラッと変える人もいます。
食事と有酸素運動
ダイエットの手段としては、大きく分けると「食事」と「有酸素運動」の2つになります。
まず有酸素運動については、ボディビルダーではやる人とやらない人に分かれます。
やらない人の理由は、有酸素運動は筋肉を減らしてしまうとか身体が疲れてしまうというのが多いです。
実際、有酸素運動には筋肉を分解させる効果があります。
また、カロリーは消費しますが代謝を上げることはありません。
ジムでも、ガンガン筋トレしている人と、有酸素運動だけしている人だと筋トレしている人のほうが締まって見えませんか?
一方、有酸素やる派の人でも、ウォーキングやエアロバイクのように強度の低いものをやることが多いようです。
ただし、有酸素運動をやらずに食事だけでダイエットを進めるのは、色んな知識やテクニックがいるので上級者向けとも言えます。
一般の人がダイエットする時には、有酸素運動も取り入れて、「食べた分動く」という感覚でやった方が気も楽かもしれません。
有酸素運動と聞くと、トレーニングウェアに着替えてシューズを履いて・・・という感覚があると思いますが、日常生活で動くことも有酸素運動になります。
よく言いますが、一駅歩くとか、階段を使うようにするとかでも効果はあるでしょう。
食事法の3つのポイント
食事に関してはどうでしょう。
大事なのは、「量」と「内容」と「タイミング」の3つです。
まず「量」は言わばカロリーです。
食べたり飲んだりの摂取カロリーが、運動や基礎代謝の消費カロリーより多いと絶対にダイエットは出来ません。
ある意味、消費カロリー>摂取カロリーの生活を続けていくことがダイエットの本質とも言えます。
次に「内容」です。
同じカロリーでも、お米から摂るか、お肉から摂るか、油から摂るかでは身体への影響は全く違います。
つまり三大栄養素の炭水化物とタンパク質と脂質のバランスです。
細かく書くとキリがないので、ここでは大事なポイントを2つだけ押さえておきましょう。
一つ目は、「タンパク質は多く、炭水化物と脂質は少なく」です。
肉や魚や卵などおかずを多く食べて、ご飯やパンや麺類やスイーツ、揚げ物は避けましょう。
二つ目は「脂肪は質の良いものを」です。
実は脂肪は物によっては摂ったほうが痩せやすくなります。
調理用の油やマヨネーズは避け、食材に含まれる脂肪や自然のものから摂りましょう。
特に青魚の油(EPAやDHA)や植物の油(ココナッツオイルやオリーブオイルや亜麻仁油)が良いです。
最後に「タイミング」です。
これも極端な例を挙げると、一日の食事を夜寝る前にまとめて摂るか、朝起きて摂るかでどちらが良いかは分かると思います。
ポイントは、「タンパク質はこまめに一日の絶対量は確保、炭水化物は朝かトレーニング前後」です。
何も食べない時間が3時間以上続くと、身体がエネルギー不足になり、筋肉が減り始めると言われています。
筋肉を喰ってエネルギー源にしてしまうんです。
これを避けるために3時間おきにはタンパク質を摂ります。
炭水化物は、これから活動を始める(エネルギーを必要とする)朝かトレーニングの前に摂ります。
あとは、炭水化物が筋肉になりやすいトレーニングの後に摂ることです。
まとめ
ここに書ききれないテクニックもいろいろありますが、基本的には当たり前のことを淡々と続けることです。
3つのポイントを挙げましたが、食べるものを毎日コロコロ変えると何がよくて何がよくないのか、ダイエットが進んでいるのかも分からなくなってしまいます。
ですから、「毎日同じものを食べる」というボディビルダーは結構多いです。
変えるとしても、ある一定期間は同じで、少し変えてみるとかです。
ダイエットは肉体的にも精神的にもツライものです。
ボディビルダーは自身の経験や知識で冷静に分析をして乗り越えているのでしょう。