トレーニングをする前に読む本──最新スポーツ生理学と効率的カラダづくり (講談社プラスアルファ文庫)

タイトルから見ると筋トレのモチーベーションアップ用の本かと思いましたがとんでもない。
専門用語連発、研究に裏付けられた科学的見解の連発です。
著者は言わずと知れた石井直方先生なので当然かも知れませんが。

こちらをご紹介します。

スポンサーリンク

マラソン選手には努力でなれるが、スプリンターは遺伝で決まる

速筋と遅筋の解説の中で、その遺伝的要素の大きさを表す分かりやすい一言です。
やっぱりトップアスリートやトップボディビルダーは選ばれた人間でしょうか。

「筋の記憶」の仕組みについて、少なくとも2つの可能性が考えられます。  1つは、長年のトレーニングによって筋線維内の核数が増え、トレーニングを中断して筋が萎縮しても、核数は増えたままであるという可能性です。このような状態であれば、筋線維はトレーニング再開後、比較的速やかに元のサイズに戻るでしょう。  もう1つは、長年のトレーニングによって筋線維数が増えていて、たとえ筋が萎縮してもその数は減らず、個々の筋線維が萎縮しているという可能性です。この場合にも、トレーニングを再開すれば、筋のサイズは元に戻りやすいでしょう。これらの両方が同時に起こることも、もちろん考えられます。

トレーニングによって筋肉の核や線維を増やしておけば、長期間トレーニングのブランクがあっても再開後早めに元のようになれるということです。
実際に著者の石井先生も、ご自身で体験されたそうです。

成長ホルモンが筋や骨などに対してはアナボリックな作用をもち、体脂肪に対してはカタボリックな作用をもつという「両刀使い」であることが、疑いようのない事実として受け入れられるようになってきました。

成長ホルモンに関するくだりも豊富です。

体脂肪減量のための「賢いトレーニング処方」へのヒントが見えてくるようです。  ポイントを整理すると、①まずレジスタンストレーニングを行う、②これにより成長ホルモンが分泌され、中枢にも疲労が生じる、③一息入れてから低強度のエアロビック運動を行う、④これにより、成長ホルモンで分解された脂肪がエネルギー源として利用され、⑤さらに中枢神経の疲労も大きいため脂肪の分解も早く起こる、となります。

後半はダイエットにも多く触れており、女性にもオススメできます。

たくさん付箋を貼りましたがごく一部のご紹介です。

まとめ

新しい知識を得られたというより、言葉では聞いたことがあったことを頭で理解できるようになったというカンジです。
人間の体は世界中で研究されているのにまだまだ分かってないことが多いということなので、本当に奥が深いです。
確かに、今まで常識と言われていたことが新しい研究で覆されたりしますね。

まあ。タイトルはトレーニングする前にとありますが、トレーニング前に読んだら混乱するかも。
ただし、本当に幅広く科学的に解説されているので、私自身何度も開いてます。
オススメです。