
胸筋がつかないのは“フォーム”のせいじゃない!?
「ベンチプレスを頑張っているのに、なぜか胸筋がつかない…」
「腕ばかりがパンパンに張って、肝心の胸には効いてる気がしない」
そんな経験、筋トレを始めた人なら一度はあるはずです。
もちろん、フォームが間違っていれば筋肉に効かないのは当然ですが、「正しいフォームをやっているのに胸筋が育たない」という人も実は多いのです。
その原因、実は「筋肉を使う神経の回路=マインドマッスルコネクション」が未発達なだけかもしれません。
“効かせられない”原因は脳と筋肉の通信不良
筋肉を動かす命令は、脳から電気信号で送られます。
つまり、脳と筋肉の神経回路がちゃんとつながっていないと、その筋肉を十分に使えないということ。
とくに胸筋のような大きな筋肉は、意識して収縮させるのが難しく、初心者のうちは腕や肩の筋肉が先に動いてしまいがち。
これが「胸がつかない」最大の理由のひとつです。
この現象は、トレーナー界隈で「腕トレ化したベンチプレス」などと呼ばれ、本人は胸を鍛えてるつもりでも、実際には腕主導でバーベルを押している状態です。
マインドマッスルコネクションとは?
マインドマッスルコネクション(MMC)とは、「狙った筋肉を意識して動かす能力」のこと。
これができるようになると、同じ種目でも筋肉への刺激が格段にアップします。
プロのボディビルダーが「軽い重量でも効かせられる」と言うのは、このMMCが発達しているから。
逆に初心者のうちは、筋肉に効かせる神経の回路が未整備なため、どうしても“力任せ”になってしまいます。
胸筋が効かない人にありがちな3つの特徴
- ベンチプレスで肘が開きすぎている
→ 肩主導になりやすく、胸筋の関与が減ってしまう - 常に高重量でやろうとする
→ フォームが崩れやすく、筋肉よりも関節と他部位が頑張ってしまう
まずは“神経に通す”ことから始めよう
胸筋を発達させるには、いきなり重いバーベルを押すよりも、まず「動きを覚えさせる」ことが大切です。
たとえばこんな方法から始めましょう:
- 壁に手を当てて、胸筋の収縮を意識する
- 軽いダンベルでフライの動きを反復する
- プッシュアップで胸がストレッチされている感覚を確認する
最初は筋肥大より“感覚づくり”に全振りしてOKです。
感覚がつかめてきたら、次のステップで「効かせながら負荷を乗せる」トレーニングへと進めましょう。
胸筋がつかない原因は、単に「フォームが甘い」だけではありません。
脳から胸筋へ意識的に命令を送れていない=神経が未発達なことが多いのです。
まずは胸筋の存在を意識し、しっかり“感じられる”状態をつくることから始めましょう。
胸筋を目覚めさせる“神経アクティベーション”ドリル
それでは実際に、胸筋にしっかり刺激を入れる「神経アクティベーション(活性化)」ドリルを紹介します。
これらはトレーニングの前に2〜3分取り入れるだけで、筋肉への意識が劇的に変わります。
1. チェストコンプレッション(壁プレス)
壁に両手をついて、軽く押しながら胸を意識します。
このとき、肩ではなく胸で押している感覚があるかを確認しましょう。10秒×3セット。
2. バンドチェストフライ
ミニバンドやチューブを使い、フライ動作(横から腕を閉じる動き)をゆっくり繰り返します。
胸が縮む・開く感覚を意識しましょう。10〜15回×2〜3セット。
3. アイソメトリック・チェストスクイーズ
胸の前で手のひら同士を強く押し合い、胸に力が入っている感覚を意識。
これは器具がいらず、どこでもできるのでおすすめです。
初心者〜中級者向け:胸筋に効かせるおすすめメニュー
アクティベーションで胸の感覚がつかめたら、いよいよトレーニング本編へ。
以下は「筋肉に効かせること」を最優先にしたメニュー例です。
週2回の胸トレ例(各種目 10〜12回×3セット)
- ダンベルフライ(軽めで可動域重視)
- プッシュアップ(胸をストレッチ&収縮)
- ダンベルベンチプレス(収縮ポジションで1秒キープ)
- ケーブルクロスオーバー(ジムユーザー向け)
重量を追うよりも、“効かせるフォームとテンポ”を大切にしましょう。
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よくある質問と“つかない原因”あるある
Q1. ベンチプレスを重くしてもいいですか?
いきなり高重量に挑むと、フォームの崩れ=他部位主導になりがち。
神経系が発達するまでは、軽め+正確なフォームでコントロールを優先しましょう。
Q2. プッシュアップだけでも胸は鍛えられますか?
もちろん可能です。
特に胸のストレッチと収縮を意識したスローな動作を行えば、しっかり効かせられます。
“あるある”なNGポイント
- 胸を張りすぎて腰が反っている
- 肩甲骨を寄せたまま“固定”しすぎて可動域が狭くなる
- 下ろすときに胸がストレッチされていない
まとめ:胸筋は“神経から育てる”意識で
胸筋がつかないのは、才能や体質のせいではありません。
脳と筋肉をつなぐ神経の回路を育てることで、初心者でもしっかり効かせられるようになります。
・いきなり重いベンチプレスより、まずは軽い刺激で感覚づくり
・アクティベーションドリルで脳と胸筋をつなげる
・“フォーム”よりも“効かせる意識”の優先順位を忘れずに
胸トレの成果が出てくると、Tシャツ姿の印象もガラリと変わります。
「効かせる力」を育てて、真の“胸筋美”を手に入れましょう!