”ホルモン”の基本を覚えてボディメイクに役立てよう。運動生理学講座Vol.4
ソウタ

ホルモンって何?モツとは違うの?

ハルト

そのホルモンじゃない。
ホルモンは、簡単に言うと体のいろんな機能の調整役だね。

ソウタ

筋肉と関係あるの?

ハルト

かなりある。
例えば、成長ホルモン、テストステロン、ステロイド、インスリン、コルチゾールとかは筋肉とかなり関係が深いね。

ということで、運動生理学講座第4弾は「ホルモン」がテーマです。

知っておくと筋トレに役立ちそうなことに焦点を絞って行きましょう。
※ホルモンは病気や疾患とも関わりが深いので、あくまでも健康な人向けの内容です。

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ホルモンとは

ホルモン全般的なことから行きましょう。

ホルモンとは、体内のいろいろな臓器や細胞で分泌される化学物質です。

ホルモンのような化学物質を直接分泌する臓器や細胞を内分泌腺と言います。
ホルモンは内分泌腺から血液中に分泌され、血液や体液によって体中に運ばれます。

その後、作られた臓器そのものや、別の臓器や細胞などの標的器官に働きかけます。

ホルモンって何?
  • 内分泌腺で作られる
  • 分泌量はきわめて微量
  • 100種類くらいある
  • 血液を通して体内に運ばれ、体の機能調節を行う
  • 体を一定に保つ機能もある(恒常性の維持)

ホルモンは微量ですが体にとってはなくてはならないものです。
ホルモンバランスが崩れると病気になってしまいます。

余談ですが、焼肉のホルモンの由来は「放るもん」から来ていると思ってましたがこれは嘘のようです。
本当は、栄養豊富な滋養料理を元々ホルモン料理と読んでいたそうで、焼肉のホルモンのような内蔵料理も栄養豊富なのでこう呼ばれるようになったんだとか。

主なホルモンと分泌器官

画像は栄養の生化学より。

アナボリックステロイドとは

ソウタ

ドーピングとホルモンも関係あるの?

ハルト

あるね。
あれは、男性ホルモンを外から取り込んで筋肉を増えやすくしたり、脂肪を減らしやすくするんだ。

ホルモンは構造によって、ステロイド系と非ステロイド系に分類されます。

ステロイド系ホルモンは、脂溶性なので細胞膜を通過出来ます。
細胞膜を通過したホルモンは、受容体とくっついて、DNAに「たんぱく質を合成(アナボリック)させなさい!」と働きかけます。

これがアナボリックステロイドです。

また余談になりますが、皮膚が荒れた時に皮膚科に行くと、ステロイド剤を処方されることがあります。
このステロイド剤の効き目がすごい。
私は、顔の肌荒れがひどくなったとき、皮膚科に行ってロコイドという薬をもらって塗ったら速攻で治って驚いたことがあります。

このステロイド剤は、ステロイド系ホルモンの一種の副腎皮質ホルモンです。
副腎皮質ホルモンの作用で炎症を抑えてます。

とにかくステロイド系ホルモンの威力はすごいです。

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ホルモンの分泌を筋トレに役立てる方法

このように、ホルモンは微量ながら体に与える影響は大きいです。
ボディメイクには、ホルモンマネジメントが重要になります。

ここからは実際に自分でできるホルモンマネジメントをご紹介します。

筋トレは強度を高く(アドレナリン全開)

当たり前ですが、筋トレをやる時には集中してハードにやる必要があります。
強度が高いほど、アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミンが分泌されます。
もっと言うと、恐怖を感じるくらいまで行くとさらに分泌されます。
火事場の馬鹿力です。
(ボディビルダーの合戸孝二さんも、恐怖を感じるくらいの重量でやらなきゃダメだと言ってました)
アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミンは、糖質や脂質の代謝を促進します。

筋トレは1時間以内に。イライラしない。(コルチゾール抑制)

強度は高く、時間は短く、が大切です。

運動を始めると、コルチゾールというホルモンが分泌されます。
1時間くらいで最大化すると言われています。
コルチゾールはストレスホルモンとか、カタボリックホルモンと呼ばれ、筋肉を分解する作用があります。(アナボリック⇔カタボリック)

1回の筋トレはダラダラやらずに1時間位で終わらせましょう。

さらにストレスを感じるとコルチゾールが出ちゃいます。

ハルト

イライラしないおおらかな性格になりましょう(笑)

炭水化物は必要。ただし必要量だけ。(インスリン)

筋肥大やダイエットにかなり影響があるホルモンがインスリンです。
インスリンは炭水化物を食べると膵臓から分泌されます。
インスリンはアナボリックホルモンとも言われます。

アナボリックホルモンと呼ばれる由来は、筋肉のエネルギー源や材料である糖質やアミノ酸を運んでくれるからです。
筋グリコーゲンが足りないと良い筋トレは出来ません。

ただし注意点があります。
炭水化物(糖質)を食べるとインスリンが分泌されますが、食べた炭水化物が多すぎるとインスリンは脂肪を増やしてしまいます。

ハルト

インスリンは「諸刃の剣」とも言われるね。

炭水化物はエネルギー源なので車のガソリンと同じです。
タンクの満タンまででいいんです。

ちなみにインスリンと逆の働きをするホルモンはグルカゴンです。
インスリンとグルカゴンのバランスが大事です。

インスリンをコントロールする方法

インスリンを上手くコントロール出来ればボディメイクも成功出来ます。
その方法を3つ書いていきます。

インスリンのコントロール法
  • 筋トレをする
  • 炭水化物を一度にたくさん食べない
  • 吸収の遅い炭水化物を食べる

筋トレをする

インスリンが筋肉に向かいやすくなる方法は、筋トレをすることです。

筋トレすると糖質が使われるので、インスリンは筋肉に優先的に足りない分を補給しに行きます。

さらに筋トレを続けて筋肉が増えていくと、普段からインスリンは筋肉に向かいやすくなるので太りにくくなるというわけです。
この状態をインスリン感受性が高いといいます。

ハルト

たくさん食べたいなら筋トレをしてから!

炭水化物を一度にたくさん食べない

炭水化物を満タン以上に入れるとこぼれた分は脂肪になるだけです。

必要量は筋肉量によって人それぞれですが、1日の摂取量は体重1キロあたり3グラムまでにしましょう。
70キロの人だと210グラムです。
ちなみに茶碗一杯のごはんで炭水化物量は50〜60グラムなので、1日に4回位小分けにして食べましょう。

吸収速度を意識する

吸収が早い炭水化物を食べると、血糖値が一気に上がるのでインスリンも一気にドバっと出ます。

筋トレの後は吸収が早いものを食べるといいですが、そうじゃないときは吸収が遅いものを食べるようにしましょう。

炭水化物の吸収速度の値をGI値と言います。

よく食べる炭水化物のGI値

GI値速い・・・白米、うどん、パン、じゃがいも
GI値遅い・・・玄米、そば、パスタ、さつまいも

茶色い炭水化物を食べると良いです。

「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」という本にも書いてます。

男性ホルモンと成長ホルモンで成長促進

成長ホルモンは、骨や筋肉を成長させ、脂肪を分解してくれます。
成長ホルモンは下垂体から分泌されます。
男性ホルモン(テストステロン)は精巣から分泌されます。

中学生くらいになるとたくさん分泌されるので、一気に体に変化が起きますね。

25歳くらいになるとほとんど分泌されなくなるので、筋肉は減りやすく脂肪がつきやすくなっていきます。

加圧トレーニング(血流制限)や、栄養だと亜鉛やアルギニンが良いです。

甲状腺ホルモンで基礎代謝アップ

甲状腺ホルモンの分泌が下がるのは良くないです。
なぜなら甲状腺ホルモンは、基礎代謝の増加や成長ホルモンの合成促進をするからです。
さらに骨からのカルシウム放出を抑えます。

甲状腺ホルモンが下がるときは、ダイエットしている時やストレスが溜まっているときです。

ダイエットしていても甲状腺ホルモンが減ると基礎代謝が下がるので痩せにくくなります。
順調にダイエット出来ていれば問題ないですが、停滞したら一旦思い切り食べて甲状腺ホルモンを通常に戻すという方法もあります。
これはチートと呼ばれるテクニックです。

まとめ

今回はホルモンの基本についてでした。

筋トレ、栄養、休養とかいろんな要素に関わってくるので奥が深いです。

記事を書いた私が言うのもなんですが、細かいこと気にしだすとキリがありません。
Don’t Think Feelです。

ハードに筋トレして、良いもの食べて、よく休む。
これが大事。