筋トレ好きな男性の共通点の一つとして、

強さへの憧れ

があるのではないでしょうか。

強さにもいろいろあります。

筋力・腕力としての強さ、武器を使っての強さ、メンタルの強さ、知力の強さ、生物としての強さ、雄としての強さ・・・

はじめの一歩でも、幕之内一歩は「強いってなんだろう?」と自問を続けます。

今回ご紹介する小説「ジェノサイド」には、そんな様々な強さが多く見られます。

2011年発売なので少し前ですが、傑作です。
エンタテイメント小説としてクソ面白いのでGWにゆっくり読むのはいかがでしょうか。

ジェノサイド 上 (角川文庫)
高野 和明
KADOKAWA/角川書店 (2013-12-25)
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ジェノサイドってどんな話?

ストーリーのボリュームが凄いのでざっくりまとめるのも難しいのですが、あえて一言で言わせていただければ、

海外ドラマで観てみたい小説

です。

有名どころの海外ドラマだと、24とロストとプリズン・ブレイクを足したような感じなので、海外ドラマ好きの人は絶対好きな話です。

と思いつつ、「映像化無理でしょ」とも思うのですが、これが出来たらヤバい。めっちゃ観たい。

ざっくりあらすじ

話は主に3つの場面で同時進行していきます。

  • アフリカ:コンゴに派遣されたアメリカ人傭兵たち+〇〇←これが重要
  • 日本:日本人と韓国人の大学院生
  • アメリカ:大統領と合衆国首脳陣

構図としては、傭兵と学生がイイモノでアメリカがワルモノです。

ある日、アフリカ・コンゴで全人類の驚異となるかもしれない生物が発見されます。

選ばれた4人の傭兵がその生物を殺すためにコンゴに派遣されますが、そこで知った衝撃の事実。

傭兵たちはアメリカを裏切り、その生物を守ることに。
アメリカは大統領の指示の元、軍とかCIAとかが傭兵たちを潰そうとします。

でも傭兵たちには、合衆国すべての力を持ってしても敵わない超強力な存在が味方しています。
その存在を守るために鍛え上げられた傭兵たちは奮闘し、アフリカを脱出して日本に向かいます。

一方、日本では最近父親を亡くした薬学を学ぶ日本人学生・研人。
父親が残した、謎の実験室とパソコン。
そこには難病を抱える10万人の子供を救える新薬のヒントが。

そしてなぜか警察に追われる立場に。
心強い韓国人の助っ人・正勲と一緒に心の強さの成長を遂げる──

アメリカの追手をかわしながら
傭兵たちは無事にアフリカを脱出出来るのか?
学生たちは新薬を創ることが出来るのか?
そして、アメリカを破滅させる力を持つ存在とは?

答えは読んでのお楽しみ!

読むのがつらい描写もある

さて、タイトルのジェノサイドですが、大量虐殺という意味です。

大量虐殺する生物は人間だけという一説も出てきますが、思わず眉をひそめるような結構エグいシーンがあります。

ただし、それは国対国の戦争、内戦、民族闘争のなかで人間が起こしたことであり、目を背けることではありません。

日本人が行った大量虐殺のことも書かれています。

さらにアフリカの少年兵のくだり。

普通に暮らしていた少年が無理やり拉致されて少年兵にされていきます。
世界では実際に起きていることだと信じがたいレベルのえげつなさです。
悲しいし苦しいです。

小説家ってやっぱりハンパねえ

ジェノサイドの作家は高野和明さんですが、本作を読んで改めて思ったのが、

小説家って1冊書くのにどんだけインプットしてんの?

ということです。

なんせ内容が多岐にわたっていて重厚なので、これだけの文章を書くには相当の知識が無いと書けないでしょと思いながら読んでたんです。

最後に主要参考文献が載ってました。
その数30冊以上!
さらに、薬学やインターネットの専門家にもインタビューしてる。

一冊書くのにどんだけ〜!

ジェノサイドのレビューや書評を見ると、政治的思想とか歴史の解釈がうんぬんというのが見られるのですが、単純にエンタテイメントとして面白いので小難しいことは知らん。

文字が脳内で映像化出来る胸アツシーン!

※ちょいとネタバレあり

ストーリーの中で、ドラマのワンシーンのように描くことが出来て鳥肌モンの場面があったので2つほどご紹介させていただきます。

日本人学生・研人が韓国人学生・正勲に協力も求めるも、協力することで自分と同じく警察に追われる立場になるかも、とためらう。

研人「最悪の場合、正勲が警察に捕まるか、日本にいられなくなるかも知れない」

正勲 悩んだ後、「それが最悪の場合だね?」「最良の場合は?」

研人「全世界で10万人の子供の命を救える」

正勲「分かった、行くよ」

正勲カッチョイイー!
正勲が乗るバイクが走っていく画が浮かぶ!

2つ目です。

アフリカでの傭兵たち。
武装集団や少年兵との激闘。
犠牲を出しつつもようやく危機を乗り越えた。

迎えに来た車両に乗り込むも、罪悪感・無力感・怒り・悲しみ・・・複雑な思いが交錯して精神が崩壊寸前で、車内には全員のむせび泣く声が。

ただ一人何も知らない陽気な運転手が、
「皆さん、大丈夫ですか?」

見ようによっては滑稽な状況だと気づいた傭兵たちようやく笑い声を取り戻した──

ここ泣けるとこ。

他にもグッと来るシーンがたくさんあるのでぜひ読んでみて!

まとめ

いや〜、小説ってほんとにいいもんですね。

良い本に出会えた時って毎日の楽しみが増えます。
数百円なのに人生を豊かにしてくれるって最高。

ではでは。