全部10回✕3セットではダメ。筋トレは目的に応じて種目ごとに正しい強度・量で行うようにしましょう。

photo credit: Week #1 Workouts via photopin (license)

最近では、筋肥大を目的とする場合のトレーニングは低負荷高回数の方が効果あり、という説が注目されてきているようです。
正解のない話なので、数年後には高負荷低回数という逆説が出ているかもしれません。

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それはいいとして、何十年もの間筋肥大の基本として言われてきたのが、「10回3セット」です。
10回繰り返して限界になる負荷にセットして、10回やって1セット、これを3セットやるという方法です。

私も最初はずっとこれでやってました。
最初はいいと思うのですが、ずっとこれを続けていいのでしょうか?

よくないんです。
目的に応じて、適したやり方でやらないといけません。

トレーニング1年目の方は

今回の記事は、ある程度経験がある人向きでトレーニング初心者の人には当てはまりません。

初心者の方は、10~12回✕3セットでいいでしょう。
1回のトレーニングで全身を鍛えて、1部位1種目か2種目になると思います。

筋肥大以前に、負荷を筋肉や腱に慣れさせる、筋肉の収縮伸展を感じる、筋肉に刺激が行く神経を通す、フォームを習得する、などが大切だからです。
最初は何やってるかよく分からないかもしれませんが、続けていくと効いている感じがしてきます。

経験を積むと、日によって体を部位ごとに分けてトレーニングするようになります。

こうなってくると全ての種目で10回3セットではダメです。

トレーニングを構成する要素

トレーニングを構成する要素はたくさんあります。
代表的なものは種目、負荷、レップ数、セット数、インターバルなどです。

これらの組み合わせになるので、やろうと思えばいくらでもパターンができます。
これが筋トレの面白いところでもあると思います。

目的に応じて適した組み合わせパターンでやらないといけません。
適材適所というと人材のことなので正確には使い方が違うと思いますが、トレーニングを人に例えるとそんなイメージです。

種目と回数を決める3つのポイント

前置きが長くなりましたが、じゃあどんなパターンを選択すればいいのかということです。
人によって目的が違うと思いますが、考え方としては、筋力アップ、筋破壊、乳酸を溜めるの3つです。

サイズを付けたいのか、セパレーションを出したいのかなどで、この3つそれぞれに適した種目と回数を選択していきます。

筋力アップ

筋力イコール筋量ではないですが、筋力が上がるとトレーニングのレベルも上がるので筋肥大に繋がります。

筋力アップに適した種目は、ベンチプレス、スクワット、デッドリフトなどです。
回数は3回から6回くらいで、フォームを安定させて丁寧に行います。
インターバルは3分くらい多めに取ります。
あまり多くやり過ぎても神経が疲れるので3セット位がベストです。

逆にこれらの種目は乳酸を溜める目的には向いていません。
例えばスクワットとか、高回数でやると筋肉の前に、心肺がやられてしまいます。
アームカールやレッグエクステンションなども高負荷低回数でやってもあまり効きません。

筋破壊

これは、中強度での複合関節種目になります。
確実にターゲットの筋肉にヒットできる種目で、それなりに強度もあるものです。
例えばチェストプレスやレッグプレスになります。

8回から10回で3~4セット行います。
ギューっと詰まった筋肉をイメージしてます。

乳酸を溜める

これは筋肉を低酸素状態にして過酷な環境にして乳酸を貯めます。
筋肉をパンプアップさせることもできます。

フライマシンやアームカールやレッグエクステンションです。

回数は15回から30回、乳酸を貯めないとなのでインターバルも短めです。
ここでオールアウトさせるようにします。

行う順番

基本的には筋力アップ→筋破壊→乳酸を溜めるの順番でいいと思います。
予備疲労として最初に軽くアイソレート種目をやるのはいいのですが、疲れた状態で筋力アップの種目は難しいです。

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まとめ

  • 初心者は10回✕3セットがいい
  • 慣れてきたら目的に応じた組み合わせパターンにする
  • ポイントは筋力アップ、筋破壊、乳酸を溜める
〈東京大学教授〉石井直方の筋肉の科学 (B・B MOOK 1244)
石井 直方
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