なんで1セット10回が限界の重さでやるといいの?
その刺激が「速筋線維」を発達させてくれるからだね。
そっきんせんい?
筋トレでサイズが大きくなるのは速筋線維なんだよ。
さて、運動生理学講座第1回目です。
筋肉の種類や構造から行きましょう。
鍛えているのは骨格筋
筋肉には3種類あります。
平滑筋・・・内臓器官の筋肉
骨格筋・・・身体を動かすための筋肉
心筋と平滑筋は、意識して動かせないので不随意筋と言われます。
骨格筋は、自分の意思で動かせるので随意筋と言われます。
筋トレで鍛えるのは骨格筋だね
速筋と遅筋
骨格筋だけは、遅筋(ST)と速筋(FT)に分けられます。
速筋はFTaとFTbに分けられます。
遅筋をタイプ1、速筋をタイプ2と呼ぶこともあります。
何が遅い速いかと言うと、筋肉が収縮するスピードです。
筋肉はゴムのように伸びたり縮んだりします。
なので、遅筋は持久系、速筋は瞬発系スポーツで使われます。
筋トレによって大きくなるのは速筋です。
スポーツ選手の遅筋:速筋線維の比率を調べたデータによると、
マラソン選手は8:2、短距離選手は2:8になっています。
じゃあ、中距離選手は?
そう、5:5です!
球技の選手も大体5:5です。
遅筋は小さく、速筋は大きい
収縮するスピード以外にも、遅筋と速筋にはそれぞれ違う特徴があります。
マラソン選手と短距離選手の身体をイメージしてみてください。
マラソン選手はガリガリ、短距離選手はムキムキですよね。
遅筋は線維のサイズが小さく、速筋は大きいです。
大事なポイントは、速筋はトレーニングでサイズを大きく出来るという点です。
筋肉のサイズが違うので、発揮できるパワーは速筋のほうが強いです。
一方で持久力は遅筋のほうが高いです。
遅筋は脂肪、速筋は糖がエネルギー源
遅筋と速筋でエネルギー源にも違いがあります。
遅筋は脂肪、速筋は糖がエネルギー源になります。
つまり、有酸素運動のように遅筋を使う運動をすると脂肪が使われて、筋トレのように速筋を使う運動だと糖質が使われます。
「米を食わないとパワーが出ない」という人は正しいこと言ってます。
漫画のバキで、戦う前に炭酸抜きコーラを飲んでいたのも有名です。
筋トレする前には糖質を摂っておこう!
スプリンターは生まれ、マラソンランナーは作られる
いきなりですが、私の世代だと、小学校の時にモテる条件は「足が速い」ことでした。
そういう子って、割とガッチリ体格のいい子が多かった気がします。
前述の通り、短距離走では速筋を使うので足が速い子は速筋の割合が多いんです。
(もちろんそれだけじゃなく、神経や食生活や成長の度合いなどいろんな要因もあります)
速筋と遅筋の割合を決めるのは遺伝です。
ほぼ同じ遺伝子を持つ、一卵性双生児は割合が同じです。
多くの人は、5:5なんですが、稀にどちらかに偏っている人がいます。
ある意味、それが生まれ持った素質です。
ドラゴンボールの悟空がベジータと闘った時の名ゼリフで、
「落ちこぼれでも必死に努力すればエリートを超えることがあるかもよ」
というのはありますが、実は元々ベジータより悟空の方が素質があったんでしょう。
競馬のサラブレッドも同じです。
じゃあ素質がない人は筋トレしてもあまり意味ない?
全然そんなこと無い!
筋肉が付かない人なんていないし、筋トレを続けると良いことづくめだから!
速筋を刺激する筋トレのやり方
筋肉を大きくするには、速筋を刺激する筋トレをすることが大切です。
それが筋肥大に特化したトレーニングです。
どうすれば速筋を刺激できるの?
火事場の馬鹿力を出すことだね。
最小の時間で最大の刺激を与えることが速筋を発達させる方法です。
命の危険を感じるような重さで、「挙げられるかな?いや、絶対に挙げる!」とアドレナリンを出して、全力を発揮する。
1レップ1セットで限界まで追い込むことが出来れば、それが究極のトレーニングだとも言う説があります。
でも現実にはそんなこと無理ですね。
だから、「1セット8回〜10回で3セットやりましょう。そうすれば限界まで追い込めるでしょ?」という、ある意味で妥協案が筋肥大の為の筋トレ法として着地しています。
ということで現実的なやり方をご紹介します。
- ウォーミングアップをやった後、5回〜10回出来そうな重さを選ぶ
- 挙げる時は爆発的に挙げる
- 下ろす時はゆっくり耐えながら下ろす
- 重さを変えずに2〜3セットやる
基本的にはこれだけです。
シンプルで簡単ですね。
出来るようになったら、少しずつ重さを増やしていきましょう。
この後に、軽くして回数を多くするとかはやらなくていいです。
それをやると速筋の遅筋化が起こるからです。
繰り返しますが、速筋を増やしたいなら、最小の時間で最大の刺激を与えることです。
集中して短時間で終わらせましょう。
※注意点
全く筋トレ経験がないような超初心者の人は、いきなり高重量を扱うのは危険です。
軽い重量でフォームの習得から始めましょう。
安全第一。
まとめ
今回は、速筋と遅筋について書きました。
筋肥大には速筋。
これだけでも覚えて帰ってください笑
筋トレはご自身の目的に応じた方法でやることが大切です!