日々の行動が未来を左右する!行動分析学から学んだ筋トレ継続の法則

筆者は長年ジム通いをしていますが、毎年2回混む時期があります。
それは夏前と年明け。
この時期になるとジムには新入会者で溢れます。

「健康のために運動の習慣をつくろう」とか
「海やプールで脱いでも恥ずかしくない身体になろう」
と考える意欲と行動力は素晴らしいことだと思います。
(考えるだけで行動を起こさない人がほとんどです)

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しかし、数ヶ月経つとジムにはいつものメンバーしかいなくなります。
ハマる人はハマるんですが、そうじゃない人の方が多いのが現実です。

よく「筋トレは科学」と言われます。
これはつまり、筋肉を増やすには気合や根性ではなく、科学的根拠に基づいてアプローチしていけば最小限の努力で可能というです。
(個人的には根性も必要だと思いますが)

筋肉を増やす知識をつけたり、エビデンスを研究したりすることは大切です。私も知的欲求を満たすのは好きです。
しかし、知識では体は変わりません。
実際に筋肉を増やすには、筋トレをしたり、筋肉に良い食事をしたりするなどの具体的なアクションを起こすことが必要です。

筋トレをする(しない)というのは「行動」です。
そして行動は科学的に分析できます。
なぜ人は筋トレをするのか、なぜ筋トレは続かないのか。
その原因を解明し、行動に関する法則を見出そうとする科学が行動分析学です。

前置きが長くなりましたが、行動分析学を入門編だけ学んだので筋トレと結びつけて考察してみました。
こじつけっぽい点もありますが、あしからず。

行動の原因を理解して分析すれば筋トレが続く!?

まずは
「なぜ筋トレが続けられないんだろう」「なぜ筋トレが続いているんだろう」
という疑問に行動分析学で科学的にアプローチしてみましょう。

行動分析学の重要なキーワードで、行動随伴性というものがあります。
行動随伴性とは、行動の原因を分析する枠組みで、行動とその直後の状況の変化との関係をさすものです。
つまり、行動の直後に何が起きているかに着目することが大事です。

筋トレ直後の状況が重要

改めて言うまでもありませんが、筋トレで身体を変えていくために重要な要素は「継続」です。
継続というのは、行動が繰り返されたり、行動の頻度が上がったりする状態です。
行動分析学では以下のように言っています。

行動の直後に好子(こうし)が出現すると、その効果は将来繰り返される

「好子」というのは行動分析学での専門用語ですが、行動が強化される要素です。
メリットと考えると掴みやすいと思います。

はい、もう答えが出ましたね。
結論から言うと、筋トレの直後にメリットを感じると継続できます。

自分の日々の生活を思い返してみてください。
朝起きてから夜寝るまでルーティンで繰り返していることが多いと思います。

例えば、

  • 暗くて見えない→電気をつける→明るくなって周りが見える
  • ぼやけて見えない→メガネをかける→よく見える
  • 口内が気持ち悪い→歯を磨く→スッキリする

など、無意識で当たり前のようにやっていることでも、その行動の「直後」にメリットがあるから繰り返し行っていると言えます。

私はゲームが好きなのですが、敵を倒したり、謎を解いたりした直後の爽快感が気持ちよくて止められなくなります笑

ただし、
「眠いけどベッドから抜け出して満員電車で仕事に行く」とか、「トイレで排泄する」とか、生活の為にやらざるを得ないことや生理現象的な行動は当てはまりません。

「意思が弱い」「やる気がない」から続かないのではない

次のような会話をしたり、聞いたりすることがあると思います。

「夏に向けて筋トレ始めたんだけど、3日でやめちゃった」
「三日坊主じゃん、意思弱w」

このような「意思が弱い」とか「やる気がない」ことを行動の原因とするのは間違いです。
行動分析学ではこれらのことを「ラベリング」と呼びます。
A型だから几帳面とか、B型だからちゃらんぽらんとかと同じです。
なんの説明にもなってないし、問題の解決にもなりませんよね。

やる気が出ないときには以下の記事をどうぞ。

筋トレをしない状態は、筋トレという行動の頻度がゼロということです。
では次に、なぜ行動の頻度が下がっていくのか見ていきましょう。

筋トレが続かない理由は、直後にメリットを感じにくいから

筆者の妻もジムに行くのですが、帰ってくるとテンションが下がっていることがあります。
理由を聞くと、「頑張っているのになかなか身体が変わらないから」だと言います。
これが多くの人が筋トレを続けられない理由の一つです。

つまり行動の直後に変化が無い。
これを行動分析学では「消去」と言います。
筋肉が無い→筋トレ→筋肉が無い
「やっても意味なくね?」となりますよね。

さらに、筋トレが続かない理由があります。
それは一生懸命筋トレをした直後にデメリットを感じてしまうことです。

筋トレを続けると将来的には明るい未来が待っていると分かっていても、多くの人は筋トレの直後には、「あー疲れた」というネガティブな感情しか残りません。
直後がポイントです。

  • 疲れてない→筋トレ→疲れている
  • 体力がある→筋トレ→体力がない

こうやって考えると、よほど大きなきっかけがあってモチベーションが高い人でもない限り、ツラい筋トレをコツコツ続けるのは苦行です。

行動分析学の専門用語ではデメリットのことを嫌子と言います。

行動の直後に好子が消失すると、その行動は将来しなくなる
行動の直後に嫌子が出現すると、その行動は将来しなくなる

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行動の直後にデメリットが消えると継続できる

話が少し戻りますが、上で筋トレの直後にメリットを感じると継続できると書きました。
逆パターンで、デメリットが消えることでも継続しやすくなります。

例えば、

  • ストレスがある→筋トレをする→ストレスがなくなる
  • 雨に濡れる→傘をさす→雨に濡れない
  • うるさい→耳をふさぐ→嫌な音が聞こえなくなる

などです。

行動の直後に嫌子が消失すると、その行動は将来繰り返される

食事における直後の変化は?

体作りは食事管理も欠かせません。
筋トレとダイエットに関係する直後の変化を見てみましょう。

筋肉を増やしたい場合だと

  • 筋肉が無い→食べる(プロテインを飲む)→筋肉が無い
  • 筋肉が無い→たくさん食べる→ツラい

食べた直後にはあまりプラスの変化はありません。
つまり、バルクアップのための食事を続けるのは大変です。

ダイエットしたい場合

  • お腹が空く→食べる→お腹が空いてない
  • イライラする→食べる→イライラしない

筋肉を増やしたい場合と違って、食べた直後にメリットを感じることが多いです。
ケーキを食べたら太ると分かっていても、食べた後の幸せを知っているからまた食べちゃうんですよね。

肉体改造は食事が9割という説もありますが、裏を返せばトレーニングより食事管理を継続する方が難しいということです。

食べるのを我慢出来ない人は、食べても大丈夫なものを食べるか、その分動いて消費カロリーを増やす方にシフトしたほうがいいかもしれません。

行動分析学から学べる、筋トレ続けるための3つの法則

これまでのことを踏まえてここから実践編です。

筋トレ直後にメリットを感じるようにする

行動分析学的にいうと、筋トレという行動を強化するためには、行動の直後にメリットを出現させれば良いということになります。
以下のようなメリットの例を考えてみました。

自分で自分を褒める

筋トレの直後は自分を褒めましょう!
自己肯定感や達成感は大切です。
「筋トレした自分偉い!」
「このまま筋トレ続けたらマッチョになってモテる!」
とかです。

筋トレは自己満足でしかありません。
「筋トレ頑張ってます!」なんて言っても周りは誰も褒めてくれません。
逆に「何のためにやってるの?」とか「どこ目指してるの?」とかディスられることもあります。
だからこそ、自分で褒めてあげるんです。
筋トレが終わった時に、「あー今日もキツかった」とか「頑張ったのに身体が変わらないなー」と考えてはいけません。
ポジティブな感情でいてください。

パンプアップを楽しむ

筋トレをすると筋肉がパンパンに張ったような状態になることがあります。
これをパンプアップと言います。

数時間ですぐ元に戻ってしまうのですが、パンプアップした状態は筋肉がついたように感じて良い気分です。
かのシュワちゃんは、「パンプアップはS◯Xより気持ちいい」と言ったほどです笑

パンプアップした体を鏡でチェックしてほくそ笑みましょう。

筋トレの後に食べたいものを食べる

筋トレを頑張ったら食べたいものを食べていいというルールも良いと思います。
自分へのご褒美です。
甘いものは炭水化物(糖質)が多いですが、筋トレ後の体は炭水化物を食べても脂肪になりにくく筋肉になりやすくなっているので一石二鳥です。
食べたいなら動く!

筋肉痛を味わう

筋トレ後に起こる事と言えば筋肉痛です。
直後では無いのですが、大目に見てください。
こんな事言うとMとか言われますが、筋肉痛が来ると「ちゃんと効いてるな、シメシメ」と思えるようになるともう筋トレの虜になっているでしょう。

具体的な行動に落とし込む

さて続いての実践です。
「筋トレしよう」とか、「タンパク質を多く摂ろう」とざっくり決めるより、具体的に決めたほうが実行する可能性はグッと上がります。

例えば、暑くなると熱中症に注意しましょうと言われます。
注意しないといけないことは分かるんですが、具体的にどんな対策をすればいいのか分からないと行動を起こしにくい。
一時間に一回水分を補給するとか、塩分も摂るとか、エアコンは27度以下にするとか具体的な指示を出されたほうが考えなくていいから楽だし、実行に移しやすいですよね。
会社での上司からの指示も同じです。
指示があいまいだと成果もあいまいになります。

筋肉を増やしたい時の食事で言うと、

  • 3時間おきにおにぎりを食べる
  • 肉か魚を毎食食べる
  • 食後にプロテインを飲む

とかです。

段取り8割。目標は低く、プロセスを明確にする

これで最後です。
何だかビジネスみたいな堅苦しい話になってきましたがもう少しお付き合いください。

高い目標を掲げるのは大いに結構なことですが、ゴールが遠すぎて挫折しては意味がありません。
低いハードルを設定して一つずつクリアしていくやり方の方が行動は強化されます。
達成感を何度も味わえるのがミソです。
特に身体作りは、日々の積み重ねが振り返ると大きな変化になっているという性質のものです。
気長にやりましょう。

ベンチプレス100キロ挙げるとか、腹筋を割るとか、10キロダイエットするとか人それぞれの目的によって違いますが、そのゴールまでのプロセスを明確にしましょう。

要は段取りです。
仕事は「段取り8割」と言われます。
段取りをうまく出来ていればあとは粛々とこなすだけ。
失敗やトラブルもありますが、ハードルを低くしてあるので一個前に戻って軌道修正すればOKです。
セーブ地点に戻ってやり直すだけ。

筋トレで段取りというとメニューとかプログラム作りです。
でも、具体的な作り方が分からないという人も多いはず。
大丈夫です。ノウハウは調べればいくらでもあります。

ただし、身体づくりでちょっと厄介なのが、皆に当てはまる正解がないこと。
Aさんはこう言っているけど、Bさんは真逆のことを言っているみたいなことがよくあります。
嘘をついているわけじゃなく、それぞれ本人にとっては正解を言っているのです。

解決法は、自分で試すことです。
マッチョは全員いろいろやってきてます。

まとめ

  • 行動分析学で自分の行動を分析してみる
  • 筋トレの直後にメリットを感じると継続出来る
  • 筋トレ直後は自分を肯定したり、好きなもの食べたり、パンプアップとか筋肉痛を楽しむ
  • デメリットが消えることでも継続出来る
  • 自分に具体的な指示を出す
  • 段取りが出来れば成功の確率は高まる