「筋肉がつくと動きが鈍くなる」
「競技に悪影響が出る」
「柔軟性が無くなる」
こんな声を聞いたことはありませんか?
多くのスポーツでは筋肉は絶対に使うもの。
じゃあ、筋肉が多ければ多いほどいいのでは?
同じ筋肉なのに動ける筋肉と動けない筋肉があるのでしょうか?
筋肉は付きすぎない
まず根本的な誤解をしている人がいるかもしれないので、最初に書いておくと
「付き過ぎる心配をするほど筋肉は簡単には付かない」ということです。
トレーニング初心者が初めて半年〜1年くらいで一気に成長することはありますが、その先のレベルに行くにはかなり至難の業です。
スポーツ選手並みのトレーニングや、ボディビルダーの様に筋肥大を狙ったトレーニングを何年も続けていけば相当の筋肉を付けられると思いますが、現実的には難しいでしょう。
ですから、筋肉が付き過ぎるということを心配するには及びません。
筋肉があっても動ける人もいる
ものすごい筋肉を持っていても、素早く動いたり軽やかに動いたりする人もいます。
体操選手やプロレスラーがそうですね。(プロレスラーは選手によりますが。)
他にもレスリングや柔道や総合格闘技の選手もかなり動けます。
ただし逆に、同じような筋肉がある体つきで、スポーツをやると動きがぎこちなくなる人がいるのも事実です。
その違いはどこにあるのでしょう?
筋肉の付け方が違う
答えは「その筋肉を得る過程」にあります。
何のために筋肉や筋力をつけようと思い、どうやってその筋肉をつけたかです。
目的と手段が違います。
それぞれ考えてみます。
動けない人のトレーニング
※あらかじめ書いておきますが、動けない人が悪いと言っているわけではありません。
動けない人はおそらく「筋肉をつけること」自体が目的です。
まず、筋トレの教科書?には「反動をつけずに動かす(チートしない)」と書いてます。
反動をつけずに動作したほうが鍛えたい筋肉にピンポイントで効くからです。
例えば、上腕二頭筋のトレーニングであるダンベルカールやバーベルカールでをするとき、足や肩も使って反動をつけて持ち上げた方が簡単です。
そうではなく、上腕二頭筋だけ使って、反動をつけずに肘の位置を動かさずにやりなさい。となっています。
これをストリクトなフォームと言います。
上級者になるとあえて反動をつけて、高重量でトレーニングする人もいますが、正しいフォームを習得したりターゲットの筋肉に神経を通すためには最初は反動つけずにやるのが正解です。
これは「筋肉をつけるための筋トレ」では正解ですが、この「反動を付けない動作」を全身で行っていると「体のバネ」が効きにくくなっていきます。
動ける人のトレーニング
一方で動ける人のトレーニングは、筋肉をつけることが目的ではなく、「練習のなかで結果的に筋肉が付いた」ということでしょう。
体操選手はかなりムキムキですが、筋トレはやらないそうです。
練習自体が自重トレーニングをやっているようなものなので、あれだけの筋肉が付くのでしょう。
上半身の特に肩周りや腕はすごいです。
一方で格闘家などは、筋トレをやる人が多いです。
ただし上に書いたのとは違い、あえて全身のバネを使い反動をつけてのトレーニングをされているようです。
クリーンやスナッチをやることが多いようですね。
競技での実際の動きにつなげるための筋トレです。
動きの中でのバネや力を強化しつつ、筋肉も付いていきます。
つまり、動ける筋肉と動けない筋肉は、筋トレの動作のスピード、つまり筋肉を収縮させるスピードにも関係がありそうです。
じっくりと筋肉の収縮をさせれば、筋肉は大きくなりますが、早く収縮させた方が瞬発力もつきます。
まとめ
私のように趣味で筋トレをしていて競技をしていない人にとっては、正直あまり関係ないかもしれません。
しかし、なにかでスポーツをやる時に「筋肉はあるクセに動きが鈍いね」と思われたら恥ずかしいので「動ける筋肉」も意識してトレーニングしていこうと思います。
やはり下半身の強化は必須ですね。