脇の下に、キザギザの筋肉がある人いるよね。
あの筋肉は前鋸筋(ゼンキョキン)という筋肉だね。
ボクサーとかがよく発達している筋肉なんだけど、出てくるとカッコいいよね。
今回は少しマニアックな前鋸筋についてです。
鋸というのはノコギリの意味です。
なかなかネーミングセンスが良いですね。
前鋸筋の機能解剖学
特定の筋肉を鍛えるには、その筋肉の解剖学を知ることが最初です。
どこからどこに付いていて、どうすれば収縮伸展(伸び縮み)するかということです。
前鋸筋の起始停止
上の画像を見て分かる通り、前鋸筋は胸から背中にかけて、肋骨の上にあるシート状の筋肉です。
ちなみに英語で言うと、Serratus anterior(セレタスアンティリア)です。
Serratusはラテン語のserra「のこぎり」に由来しています。
起始は第1〜9肋骨で、停止は肩甲骨の内側縁です。
前鋸筋の使い方と作用
機能は以下のようになります。
- 肩甲骨の外転:肩甲骨を前方に強く押し出したり、脊柱から遠ざけるように引っ張る動き
- 肩甲骨の上方回旋:前鋸筋の下の長い部分が、肩甲骨の下角付近をさらに脊柱から遠ざけるように働く
日常生活で言うと、物を前に押し出したり、やっと手が届く位の高いものに手を伸ばすときに使われます。
あと深く息を吸う時に、肋骨を持ち上げる吸気筋としても働きます。
前鋸筋を意識する方法
筋肉を意のままに動かすことをマッスルコントロールと言います。
前鋸筋を意識して収縮させると、肩甲骨が広がるので背中が大きく広がります。
これはボディビルのバックラットスプレッドというポーズなのですが、コツは最初に肩甲骨を思い切り「寄せる」ことです。
グーッと数秒寄せておいて、一気に肩甲骨を広げます。
▼3分40秒あたりから
前鋸筋のトレーニング法
前鋸筋の解剖学、作用が分かったらそれに則って鍛えるだけです。
重要なポイントは、肩甲骨を寄せたり広げたりする動きです。
肩甲骨腕立て伏せ
肩幅くらいで腕立て伏せの体勢になり、肩を出来るだけ前後に動かします。
肘を曲げずに肩甲骨を寄せたり広げたりするとさらに効果的です。
ケーブルクロスオーバー
なるべく動作範囲は大きく、前では腕をクロスさせて肩甲骨を思い切り広げます。
片手ずつ体を捻りながらパンチを出すようにやるのもOKです。
トレーニングチューブを背中に回してやる方法もあります。
クローズグリップダンベルプレス
肩甲骨腕立て伏せの仰向け版です。
肩甲骨は固めずに、肘を伸ばして、前鋸筋で押し上げるようにします。
海外のですが、こちらの動画は前鋸筋のトレーニング法がまとまっています。
前鋸筋のストレッチ法
トレーニングしたらしっかりストレッチしてメンテナンスしましょう。
ストレッチのやり方も前鋸筋の解剖学を理解すれば分かります。
動きとしては、よく普通に上半身を伸ばす時にやるの2つの動きです。
腰に手を当てて、背中を反る
背中を反る時に、肘をグーッと後ろに引くようにするとより伸びます。
腕を思い切り上に伸ばす
シンプルに「伸び」です。
まとめ
いかがでしょうか。
中々、前鋸筋だけをターゲットにしてトレーニングすることも無いかと思いますが、前鋸筋が出てくると、バキバキ感は増しますね。
かなり体を絞らないと出てこない筋肉だね