「ダイエットしたんだけど、筋トレか有酸素運動のどちらをやればいいの?」
という疑問はよく耳にします。
細かいことを考え出すと答えを出すのはなかなか難しいのですが、そのヒントになりそうな「EPOC」について書かせていただきます。
EPOCを知ればやる気が起きるかも?!
EPOCとは
EPOCとは
Excess Post-exercise Oxygen Consumptionの頭文字を取った言葉です。
日本語に訳すと、「過剰運動後酸素消費量」。
つまり、激しい運動をした後のカロリー消費量です。
なぜEPOCが起きるかは、
- 運動により交感神経が活発になる
- 運動で失われたエネルギー源の補充
- ダメージを受けた組織の回復
などです。
ポイントは、「運動した後の」というところです。
EPOCが上がれば、運動が終わった後にも数時間カロリー消費を続けてくれるんです。
嬉しくないですか?
ただしEPOCを上げるには大事な条件があります!
有酸素運動と言われる強度の低いジョギングやウオーキングは、EPOCが上がりません。
有酸素運動は、やっているときしかカロリーを消費してくれないんです。
運動の「強度」が高くないとダメ
何度も書いてますが、EPOCを上げるには強度の高い運動をしないといけません。
では強度の高い運動とはどの程度のものでしょう。
専門的には最大酸素摂取量(VO2MAX)の150%とか表現することもありますが、簡単に言うと、ハアハアゼエゼエ言うようなキツイ運動です。
最大酸素摂取量とは・・・
私たちは呼吸をすることで酸素を体内に取り入れ、酸素を利用して糖や脂質を分解することで運動エネルギーを作りだしています。運動強度が高くなったり運動継続時間が長くなったりしても、体内に十分な酸素を取り入れ利用することができる能力が全身持久力です。そのため最大酸素摂取量は全身持久力の指標として用いられます。最大酸素摂取量は1分間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量(ml/kg/分)を示し、「VO2max」(Volume〔量〕、O2〔酸素〕、max〔最大値maximum〕)と略記されます。
引用元: 健康長寿ネット
15分の運動でもEPOCは上がる
そんなキツイ運動は無理だよ!
と思うかもしれません。
でも忙しくて運動の時間が取れない人や、せっかちな人には向いているかもしれません。
さらに筋トレ効果も同時に狙えるとなればオイシくないですか?
勘違いしてしまいがちですが、筋トレの量(時間)と強度は似ているようで違います。
量は言い方を変えればボリュームなので、セット数や種目数が多いことです。
強度は、時間に関係なくどれだけハードかということです。
15分でも強度が高い運動をすればEPOCが上がったという研究もあります。
強度が高い運動の例
強度が高い運動例を挙げてみます。
ハードな筋トレ
EPOCを上げるには心拍数が上がるような筋トレをしないといけません。
そうなると足・胸・背中などの大きな筋肉でのが適しているでしょう。
さらにインターバルは短めで、出来るだけ重いものを使うようにします。
エクササイズで言うと、スクワットやベンチプレスなどダイナミックな動きのが良いです。
HIIT
HIIT(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)とは、高強度インターバルトレーニングといいます。
元々、陸上競技の練習法として生まれましたが、その脂肪燃焼効果が多くの研究によって証明されてフィットネスの世界でも注目されるようになりました。
簡単に説明すると、
最大心拍数の90%程度の高強度の運動を一定時間行ったあとに、低強度の運動または完全な休息をとるということを繰り返す形式のトレーニングです。
これまでは、脂肪燃焼には最大心拍数の60%くらいで有酸素運動を行うのが最も効果的だと言われていましたが、このHIITの方が効果があるという見方が広まってきています。
関連記事>>>体脂肪の燃焼効果が有酸素運動の6倍!「HIIT」とは。
ジャーマンボリュームトレーニング(GVT)
ジャーマンボリュームトレーニングとは次のようなトレーニング法です。
- 使用する重量は、60%1RM(1回が限界の重量の60%)または20RM(20回やるのが限界の重量)
- その重量で10回 10セット
- インターバルは約1分
見方を変えれば、HIITを筋トレでやるみたいな感じです。
詳しくは、筋肉に新鮮な刺激を与えたい時にオススメ。ジャーマンボリュームトレーニング(GVT)とは。をどうぞ。
順番は筋トレか先がランニング先か
筋トレと有酸素運動の両方やる時に、どっちを先にやった方が良いのかというのは気になりますね。
主流は「筋トレが先」説です。
理由は以下の2つ。
- 先に筋トレをやると、成長ホルモンが出て脂肪が燃えやすくなるから
- 先に筋トレをやると、筋トレで糖質がエネルギーで使われ、その後の有酸素運動は脂肪がエネルギー源になり脂肪が減りやすい
ジムでトレーナーの人が、「筋トレで脂肪を温めて上げると溶けやすいから」と新しく入会した人に説明しているのを聞いたこともあります
何となくもっともらしいですね。
しかし!
最近は逆の、「有酸素運動→筋トレ」とか、「有酸素運動と筋トレは別の日にやる」説が出てきています。
これにもEPOCが関係しています。
簡単に言うと、結局は成長ホルモンの影響よりEPOCの方がカロリー消費が多くなるという見方からです。
筋トレと有酸素運動は、同じ運動でも刺激が全く違うので体で起こるも違います。
筋トレの後は、筋タンパクの合成と言って、体が筋肉を増やそうとしています。
ゴールデンタイムだから、筋トレの後はプロテイン!と言われますよね。
ここで有酸素運動を始めてしまうと、筋肉増やすモードがオフになってしまいます。
これはもったいない!
まとめ
EPOCを知ると、今まで有酸素運動していた人も筋トレしてみようかなという気になりませんか?
食べるのが好きな人も筋トレの後なら罪悪感も無く食べられます!
EPOCアゲアゲで行きましょう!