
「最近、ベンチプレスやアームカールをすると肘が痛い…」
そんな悩みを抱えていませんか?
筋トレ初心者に多いケガのひとつが肘の痛みです。
まだ筋肉や関節がトレーニングに慣れていない時期は、フォームの崩れや負荷のかけすぎによって、肘の腱や靭帯に無理がかかりやすくなります。
この記事では、「肘を壊さないために今日から実践できる5つのポイント」を、科学的根拠と実践経験の両面から解説していきます。
痛みを我慢しながらのトレーニングは逆効果。今のうちから「関節を守る習慣」を身につけて、長く健康的に筋トレを続けましょう!
なぜ筋トレで「肘」が痛くなるのか?
肘は、上腕骨・尺骨・橈骨の3つの骨からなる関節で、主に「曲げ伸ばし」を司るヒンジ関節です。
しかしその周囲には、上腕三頭筋・上腕二頭筋・前腕屈筋群など、多くの筋肉が集まっており、さらに腱・靭帯・滑液包といった軟部組織も密集しています。
このように構造が複雑なため、動作中に少しでも軌道がズレると、一部に過剰なストレスがかかってしまいます。
特に以下のようなシチュエーションでは要注意です:
- ベンチプレスで肘が外に開きすぎている
- アームカールで肘が体の前に出すぎている
- プッシュアップでロックアウトを強く意識しすぎている
こうしたフォームの乱れは、肘の腱に摩擦や牽引のストレスを与え、やがて「上腕骨外側上顆炎(テニス肘)」や「内側上顆炎(ゴルフ肘)」といった慢性的な障害につながることがあります。
トレーニング歴が浅いうちほど、こうした違和感を見逃しがち。小さなサインに気づく意識が、関節を守る第一歩です。
① ウォーミングアップを軽視しない
あなたはトレーニング前、どのくらい肘を準備していますか?
筋トレ前にストレッチをしても、肘関節や腱に特化したウォームアップを行っている方は少ないのが実情です。
しかし、腱や靭帯は筋肉よりも血流が届きにくく、冷えたまま動かすことで損傷リスクが一気に高まります。
特に冬場や朝のトレーニングでは、数分の準備運動でパフォーマンスが大きく変わります。
おすすめの肘ウォームアップメニュー
- エルボーサークル:肩を固定したまま肘を円状に10〜15回回す
- チューブでの軽負荷プレス:バンドで10〜15回の肘伸展運動
- リストサークル:前腕の回旋運動をゆっくりと10回ずつ
たった5分で済む関節ケアが、1ヶ月後の「違和感ゼロ」につながります。
トレ前に「肘が動きにくいな」と感じる日は、その感覚を無視せず動作の確認を最優先にしてください。
② 正しいフォームが関節の寿命を左右する
初心者が肘を痛めやすい最大の理由のひとつが、「フォームの崩れ」です。
筋肉を大きくしたい、効かせたいという思いが先行し、可動域を超えた動きや軌道のズレを起こしてしまいがちです。
肘に負担がかかる典型的なフォームの例
- ベンチプレスで肘が90度以上外側に開く
- ディップスで肘が真下に向かわず、肩がすくむ
- アームカールで体を反動で使いすぎ、肘が前に出る
これらはすべて関節の自然な動きを逸脱しているため、繰り返せば徐々に炎症や痛みにつながります。
フォーム確認のコツ
- スマホで動画を撮影して、肘の軌道を確認
- 可動域を無理に広げない(ロックアウトしすぎない)
- 軽めの重量でフォーム練習日を作る
「正しいフォームは安全なフォーム」です。
関節を守るためには、筋肉よりも関節の動作感覚にフォーカスすることが重要です。
③ 急な高重量・高頻度はNG!関節は筋肉よりも脆い
トレーニングを始めてしばらくすると、筋肉がどんどん反応し、扱える重量も伸びてくる時期がやってきます。
しかしここで落とし穴。
筋肉は強くなっても、腱や靭帯といった支持組織はそのスピードについていけません。
結果として「筋肉は大丈夫でも、肘だけ痛くなった」というケースが多発します。
これは初心者〜中級者が一番陥りやすいオーバートレーニングの兆候です。
関節を守るための頻度と負荷の考え方
- 週3回以下に肘を使う種目を限定する
- RM(レップマキシマム)を基準に、7〜9RMで留める
- テンポをゆっくりにして負荷を増やす(スロー法)
「高重量=正義」ではありません。
肘の違和感を感じたら、重量よりも可動域・テンポ・頻度に目を向けるようにしましょう。
④ サポーター・エルボースリーブは補助的に活用
肘に不安がある人や、すでに軽い違和感を感じている人には、エルボースリーブ(肘サポーター)の活用もおすすめです。
エルボースリーブは、肘関節の周囲を加圧・保温することで、関節の安定性を高め、動作時のストレスを軽減する効果が期待されます。
サポーターのメリット
- 保温による血流促進で関節の動きがスムーズになる
- 関節のブレを軽減し、フォームを安定させる
- 不安感の軽減により集中力が高まる
特にベンチプレスやディップス、トライセプスエクステンションなど高重量・肘への負担が大きい種目では、エルボースリーブの効果を感じやすいです。
ただし「頼りすぎ」は逆効果
サポーターはあくまで一時的な補助であり、根本的な原因を解決するものではありません。
- 痛みがある状態でサポーターをして無理に動くのはNG
- フォームや頻度の見直しを優先すること
- 使用はピンポイント(高負荷種目や不安時)に限定する
「痛みがあるからスリーブで隠す」のではなく、「違和感を軽減しながら安全に動作確認をする」という意識で活用しましょう。
⑤ 違和感を感じたら即対処|無理しない勇気が関節を守る
筋トレをしていると、誰でも一度は「少し痛いけど、もう1セットだけやりたい…」という場面に出くわします。
しかし、その1セットが取り返しのつかない炎症や故障につながることも少なくありません。
肘の違和感セルフチェック
- 鋭い痛み(ズキッ、ピキッ)→ 急性の損傷や断裂リスク
- 鈍い痛み・重だるさ → 筋疲労や腱の炎症の可能性
- 動作中に引っかかりや不快感 → フォームまたは構造的な問題
いずれのケースでも、早期の対応が回復スピードを左右します。
肘が痛くなったときの対処法
- すぐに中止する(我慢しない)
- RICE処置(Rest:安静、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上)を実行
- 翌日も痛むようなら整形外科またはスポーツクリニックへ
特に慢性的な痛みに移行すると、治療には数週間〜数ヶ月かかることもあります。
「おかしいな?」と思ったその瞬間に、勇気を持って立ち止まることが、結果的に筋トレ継続への最短ルートになります。
まとめ|肘は消耗品。だからこそ「予防」が最強のケア
筋トレにおいて、筋肉を育てることばかりに目が行きがちですが、関節や腱のケアはその土台となる部分です。
特に肘関節は、「曲げ伸ばし」や「押す・引く」動作の中心的な役割を果たしており、ほぼすべての上半身トレーニングに関与しています。
だからこそ、以下の5つのポイントを習慣化することで、肘を壊さず、安全に成長を積み重ねることができるのです。
▼今日のまとめ
- ウォーミングアップで肘を温めてから動く
- 正しいフォームで関節に無理な力をかけない
- 高重量・高頻度より「回復」を優先する
- サポーターは補助的に使い、根本の改善を目指す
- 違和感を感じたらすぐにストップしてケアを行う
筋トレ初心者にとって、肘の痛みは「限界を超えたサイン」であり、成長のヒントでもあります。
あなたのカラダを大切にしながら、正しい知識で強く・安全に・長く続けられる筋トレ習慣を手に入れましょう!
▼関節の内側から守る!おすすめの関節ケアサプリ
肘関節のトラブルは「外からのサポート」だけでなく、「内側からのケア」も重要です。
グルコサミン・コンドロイチン・コラーゲン・MSMといった成分は、腱や軟骨の修復をサポートするとされています。
日々のトレーニング習慣とあわせて、以下のような関節サプリも活用してみてください。
体の内側からケアして、肘のストレスを最小限に抑えましょう。